DVD-R

家庭用録画メディアは
VHS から DVD そして Blu-ray へと進化したが

仕事・プライベートを問わず、初めてお会いする方との会話のきっかけで「趣味」を尋ねられるのはよくある事だろう。私自身、過去を振り返って思い出す趣味は、写真撮影・模型作成・ライフル射撃・自動車・ダイビング・ダーツ・映画鑑賞・ジャズレコード収集・パソコン等、ざっくり見て体育会系のジャンルは少ない。車を処分して以降、レースゲームに嵌まりもしたが、これは「趣味」というより「暇つぶし」の範疇だろうか。

映画鑑賞は趣味なのか

ここ10年はパソコン関連が本業なので、これを趣味から除外するとなると、現在まで続く物といえば「映画鑑賞」のみになってしまった。ただ、これが趣味かとなると、なかなか判断が難しい。飯田橋・神保町から銀座辺りまでの二番館・三番館を梯子して、1日10本近くの映画を見ていた学生時代ならともかく(これこそ暇つぶしか)、ここ最近は、映画館に足を運ぶ事など、年に数える程になってしまった。

多くの方と同様に、私の映画鑑賞スタイルも「レンタルビデオ」に軸足がすっかり移っている。どうも「レンタルビデオ」という呼び名から「ビデオテープ」を思い浮かべてしまうが、今時のレンタルビデオ店で「VHSビデオ」を見かける事が無いのはご存じの通りである。店内に並んでいるのは大半が DVD になり、最近では Blu-ray も徐徐に数を増やしているようだ。

デジタルメディアへの分岐点

DVD が普及したきっかけは SONYプレイステーション2 だろう。旧PSに変わる次世代ゲーム機として登場したのが 2000年の春。対応するゲームも数本しかなかったが、市販DVDが再生出来たため、ゲーム機兼用の据え置き型DVDプレーヤーとして人気が高まった。事実この年から、市販DVDタイトルのリリース件数は急激に伸びている。そして、2002年末には DVDのプレス枚数が、ビデオテープの生産本数を上回るまでに普及した。

問題は記録メディア

DVD の普及を背景に、家庭でのテレビ録画も VHS から DVD へ、更に Blu-ray と推移してきている。私が DVDレコーダーを初めて購入したのが、2002年頃の「東芝 RD-X1」。つい最近の事だとばかり思っていたが、もう8年以上前の話になるのだから、時の経過は早い物である。

テレビ放送も、長く続いたアナログから、 BS CS を経て、地デジへと推移し、メインの録画を DVD / Blu-ray に完全に切り替えている方も多いのではないかと思う。しかし、ここで問題となるのが「記録メディア」だと言うことを解っている方は意外と少ない。

お気に入りのテレビ録画
我が子の成長を記録したホームビデオ
大切なあなたの録画メディアは大丈夫?

しょっぱなから脅かすような話になって恐縮だが、皆さんが録画した DVD-R メディアは、ちゃんと再生できているだろうか?。いや、再生出来るかどうか、確認したことはあるのだろうか?

20年間のコレクション

私のオーディオ・ビデオラックには 20年以上に渡って購入した大量の LD/VHD と、映画やテレビ番組を録画済した VHSテープ が収納されていた。LD や VHD の再生機器は老朽化し、新たに入手するのは難しい。このままでは何時まで再生できるかの保証が無いと考え、省スペース化・DVD化を始めたのが 2002年頃である。それから8年以上が過ぎ、手持ちの DVD-R も 1,500枚を超えようとしている。

私の場合、1日平均 1~2本のペースで録画済み映画を見るのが日課となっているので、約3年ほどで、手持ちタイトルをすべて見返す事になるのだが、普通の方だと、録画した直後に一度観るだけで、単なるコレクションになってしまうケースが多い事だろう。

それは2008年お正月

それは2008年が明けて間もない頃。年始の挨拶で、妻が里帰りした際、暇つぶしにと持って行った DVD が事の始まりだった。夜になって妻から電話が入り「こっちに持ってきたDVDが見られないんだけど・・・途中で止まっちゃう」との事。

実家に置いてある DVD 再生機と言えば、SONY の PlayStation2 だけ。ご存じの通り、これは家庭用ゲーム機なので、DVD の再生機能はおまけ程度の代物である。「メディアのメーカーや、DVD-Rを作成した環境などによっては、再生できない事もあるから」と説明し、帰ってきてからメディアを確認するつもりだったのだが・・・

どうにも気になり、ちょっと確認のつもりが

持って行った数枚の DVD-R がすべて見られない点が気になって、手持ちDVDコレクションを抜き打ち再生してみると・・・あれ・・・据え置き型DVDプレーヤーでも途中で止まる・・・DVDレコーダーではブロックノイズが・・・XBOX だと読み取りエラー・・・PCでも止まる!!!・・・こ・・・これは~~~!!!

頭から滝のように流れる汗

よくマンガの中で驚いたときに、頭から滝のように汗が流れる表現をする事があるが、本当に頭から汗をかくのは、これが初めての体験だった。以前にも焼いた DVD-R が読めなくなったことがあったので、その後は、購入するメディアに気を配り、焼き込んだ後は必ず全編再生で確認している。更に言い訳するならば、冒頭で書いた通り、ある程度の周期で視聴しているのだから・・・

もう何を言っても後の祭り、怒りを通り越して茫然自失の状態である。頭がビショビショに成る程に、このショックは大きかった。

さて、どうやって確認する

実はあまりのショックで、その後2日間は何もやっていない。と言うより、こうなると怒りに任せて、全部捨ててしまおうかと究極の選択が頭をよぎるばかりである。

さて困った。総数 1,500枚の DVD-R を片っ端から視聴して確認するとなると、数年かかるが、そんな事はやっていられない(よね普通は)。更に、エラーディスクという物は、それ以上悪くなることはあっても、改善される事がないので、サルベージするのなら早いほうが良い。

DVD-R の問題である事は解った
さて不良メディアをどうやっって選別する

単純な確認方法

一部の DVD-R メディアが再生できない事は解ったが、それでは、全数を効率的に確認するにはどうしたらよいのかと途方に暮れてしまった。DVD-R の再生エラーを確認する一番単純で確実な方法は解っている。それは録画内容を最初から最後まで、全編再生してみることなのだが、手持ちの枚数を考えると「年単位」の作業になってしまう。

もし、あなたの所有する DVD-R メディアの枚数が 100枚程度で、時間的・精神的な余裕があれば、1枚1枚、気長に再生確認するのが良いだろう。録画したままで棚の肥やしになっている映画が日の目を見るチャンスかも知れない。「確認するのも面倒だなあ」と思うような録画であれば、たとえ消えていたとしても差し支えないはずだ。

再生の途中で一時停止してしまう、動きがカクカクになる、ブロックノイズが発生する等の症状が現れているようなら要注意である。

ロスト総数は 500枚?

DVD-R の録画メディアでエラーが発生する箇所は、主に録画後半部に集中している。なぜそうなるのかと言うのは後述するとして、映画でもドラマでも、前半から中盤部分は、後半部のお膳立てでしかない。これが最後の10分、20分のクライマックスでいきなり観られなくなるのだから始末が悪い。

取り敢えず気を取り直し、ラックに並んだ端から順に、後半20分程度の再生確認を始めて見る事にした。小型のCD/DVDラック1列、100枚を確認した時点で、再生に問題のあった DVD-R が約 20枚。しかしこの棚は、比較的最近録画したものが多いので、最悪の場合、全体の 1/3が駄目かも知れない。

ファイルコピー

100枚の DVD-R で録画後半部分を確認するだけも3日掛かりの大仕事だった。しかもその作業が録画終盤だけの再生というのは、事件の内容を知らずに推理小説の謎解きだけを見るというか、どら焼きのあんこだけを食べるような行為というのか、何ともフラストレーションの溜まる苦行でしかない。「糞メディアを買ってしまった自分への戒め」と達観できる御仁ならいざ知らず、いや、そもそも、DVDに限らずコレクターという輩は煩悩の固まりなのだから、それは無理と言う物だ。

DVD-R メディア後半部の確認だけを行うのであれば、DVD-R ドライブを装着したPCで、録画後半部にあたるファイルをコピーしてみるという手段がある。ファイルコピーの場合、OS側で読み取りづらい部分を自動的に何度かリトライする。映画などを録画したDVDの場合も、DVDプレーヤーが再生時にリトライしているのだが、同じ場面でいつまでも停止しているわけにいかないので、画像の劣化を抑えながらスキップする所が違う。そのため、PCのファイルコピーで読み取れるディスクが、DVD再生に限り、読み込みエラーになる可能性は否定できない。しかし正常にコピー出来ることさえ確認しておけば、日を置いてバックアップする猶予もあり、短期的には問題無しと判断できる。

効率的に DVD-R を検査するなら
メディア計測用のドライブは必須になる

マニアはどうしているのか

世の中、どんなジャンルにでもマニアは存在するものだ。DVD-R を代表とする記録メディアにおいても例外ではなく、インターネットで「メディア 品質 比較」などでキーワード検索すれば、各種メディアの情報や品質を評価するサイトが数多くヒットする。 このようないわゆる品質評価サイトで行われているのが、PC用の計測ツールを使用したメディアチェックである。

評価サイト(当時はBBS)が CD全盛の時代からある事は知っていた。当時、メディアの品質検査が出来るドライブ自体が、比較的高額な Plexter製品だったので断念したのだが、大量の DVD-R メディアを効率よく確認するためには導入しないわけにはいかない。

計測用ドライブに求める物は

一口に「DVD-Rメディアの計測」と言っても、その目的はいくつか考えられる。一般的には、各社メディアの品質を徹底評価して、自分にとって最適なメディアを探す事。この場合なら、検査内容が豊富で、結果が厳しいドライブを選択するのが良いだろう。

一方で、検査結果の緩いドライブにも、別の利用価値がある。検査結果は相対的な物だと考えた場合、自分の再生環境で OK なメディアの評価グラフを基準点とすれば、結果の緩さは問題ない。また「結果が緩い」ドライブは、ディスクの記録状態が悪くても読み出しできる可能性が高く「データ救済用」のサルベージドライブとしても有効である。

データ救済ドライブとしての価値

今回、不良メディア大量発生の最優先課題は、不良メディアの効率的な選別だが、それと同時に、1枚でも多くのデータを救済することにある。そこで、読み取り不良メディアの救済を優先して、低価格で計測も出来るドライブを探した結果、USB外付けタイプの LITE-ON社製 A4S1 を選択した。

機種選定に際して、DVDドライブ・メディアの検証サイトとして有名な「しあにんなお昼ご飯」に掲載の「鬼読みドライブ選手権」が参考になった。インターネットは情報の宝庫。真偽の程はともかくとして、ドライブとメディアの相性や、メディア単体の計測情報は潤沢に見つかるが、ドライブの読み取り性能を比較する記事は非常に少ないので有り難い。

残念なのは、記事に掲載されているドライブ類が現在入手不可能な点だろうか。DVDドライブは半年単位でモデルチェンジが行われる上に、ここ最近は、Blu-rayドライブに移行しつつある。2009年初頭の時点ですら、ネット通販で探すのがやっとの状況だったので、現在では掲載されたほとんどのドライブが入手できない事だろう。

データ救済なら、古いドライブも有効

不良メディアのデータ救済目的に限って言えば、ちょっと古めの DVD読み取り専用ドライブ等も意外に有効である。特に DVDドライブ初期の、等倍速や4倍速程度の読み出し専用ドライブ等は、動作スピードの遅さや、読み込み制度の甘い事が幸いして、正常に救済できたりする。利用価値が無くなり、余ったドライブが手元に残ってるパソコン自作ユーザーの方は一度試してみると良いだろう。

メディア評価・検証サイトで利用されている
主立った計測用ツールをご紹介

メーカー毎に異なる計測ツール

DVD/Blu-ray メディアの計測用ソフトも何種類かあるが、ドライブメーカーや型番によっては利用できない場合があるので注意して頂きたい。計測用ソフトとして、一般的によく利用されている PlexTools、NERO CD/DVD Speed、Karr's CD/DVD media probe の3種類を簡単に紹介しておこう。

PlexTools

PlexTools は、ドライブ製造メーカーの PLEXTOR が自社製品に添付している計測ツールだ。豊富な計測機能と、ドライブ自体の品質で人気だが、他社と比較して製品単価が高めなので、計測だけを目的とした場合には購入しづらい面がある。PLEXTOR専用ツールという事で、他社製ドライブでは動作しない。また価格の安いバルクドライブ(パッケージの無いドライブ単体製品)には添付されていない。

PLEXTOR PlexTools Professional

Karr's CD/DVD media probe

KProbeの略称が通り名になっている計測ツール。主に LITE-ON社製ドライブを対象とした計測ツールだが、ドライブが対応していさえすれば無料で利用できるので、計測サイトでよく利用されている。

KProbe ダウンロードサイト(英語)

NERO CD/DVD Speed

対応ドライブの多さと機能の豊富さに加え、無料で利用できる事から、計測サイトでもっとも利用されている定番計測ツールだが、現在は Opti Drive Control という名称で、有料になってしまった。各計測サイトでは、未だに従来の NERO 版が利用されている。

Opti Drive Control 公式サイト

計測ツールの注意点

ツールによって計測できる項目数や、グラフの形状、その値の意味が若干異なる。例えば A社製ツールで「エラー100」の場合、B 社製ツールでは「エラー50」というケースがある。またツールのバージョン違いでも若干の差異が出るので、あまり計測結果に神経質になってはいけない。正常に再生できる DVD-R メディアの結果がどの程度で、許容できる閾値がどのくらいなのかという「自分基準」を設定し、俯瞰で捕らえるのが良いのでは無いだろうか。

計測結果のグラフをどう見る
PI/PIE/PO・・・その意味は

評価基準ソフトを NERO CD/DVD Speed に

DVD-R のデータ破損が発覚した 2008年正月の時点で、数種類の計測ソフトを試した結果、複数の計測テストが同時に行えて、計測時間も比較的短かった「NERO CD/DVD Speed」をメイン計測ツールと決める事にした。

前ページで説明した通り、現在このバージョンはすでに無く、有料ソフトの Opti Drive Control に切り替わってしまっている。本来ならば新版の Opti Drive Control を使用するか、別のソフトに切り替えるべきなのだろう。しかし、初回計測時のデータを基準に、継続的な推移を見守るためには、計測ツールを変更するわけにも行かないので、この点はご了承頂くしかない。

ここで「NERO CD/DVD Speed」から得られる計測グラフの見方と、各値の意味を簡単に説明しておくことにしよう。

NERO CD/DVD Speed の計測画面

下の画面が、NERO CD/DVD Speed の実行画面になる。グラフ上部に「ベンチマーク」「ディスク情報」「ディスク品質」「スキャンディスク」と 4つのタブが並んでいるが、この内でメインに利用するのが「ディスク品質」タブになる。

上下2種類のグラフ右側に「メディア諸元」が表示されているが、ここで重要なのが「ID」項目だ。DVDメディアには、製造メーカー毎に決められた ID が書き込まれている。上記の例だと ID が TYG03 となっているので、太陽誘電製の16倍速メディアだと解る。TYG02 ならば同じく 太陽誘電製の8倍速メディア。MXL ならマクセル製、三菱であれば MCC のように、メーカーの略称+記録速度が ID である。

もう1点、画面右下に表示されている「品質スコア」が、このメディアの計測結果に基づく採点になる。これが 90点以上だとかなり優秀、95点以上なら超優良と言って良いが、ドライブとメディアの相性や計測誤差で結果が大幅に変わるため、あまり当てにはならない。あくまで目安程度に考えておいた方がよいだろう。また、当サイトの画面幅に合わせて縮小した関係上、文字が少々見づらくなってしまっているので、これ以降は、グラフ部分だけを切り出して掲載する事にした。

さて、まず上のグラフだが、これは DVDのデータを読み込んだ直後の状態を示していて、水色でギザギザに並んだ山が「データ誤差」だ。この話をすると、よく「エラーでしょ」と言われるのだが、厳密に「エラー」とは言い難い。

DVDという規格は元々、このような誤差(エラー)が発生する事を想定してあり、それを修正するための ECC(Error Collection Code)というエラー補正構造が備わっている。例えば、プレス成形で製造される、映画を収録した市販の DVDディスクに、DVD-R のような誤差は無いと思われがちだが、実際に計測してみると、この例以上に誤差が検出される。むしろ誤差のない DVD は存在しないと見て間違いないだろう。

PI(Parity Inner)と呼ばれる、この水色の山が、低ければ低いほど品質が高い。グラフの目盛りは左側に並ぶ数字が示していて、一般的な優良ディスクなら、これが 6~20の範囲内に収まっている。DVDの規格書によると、PI値 250 がデッドラインとして示されているが、これは甘すぎるように思う。今回、手元にある DVD再生機 5台で、不良メディアの再生確認を行ったのだが、5機種すべてで再生できる PI値の上限は 80~100 程度であり、150を超えた辺りでは、いずれの機種でも再生不可能か、再生停止、良くてもブロックノイズの嵐になっている。比較的計測結果が甘いと言われる「LITE-ON製ドライブ」の特性を考慮しても PI 250 はあり得ない数値のように感じる。

グラフ左方向が DVDの内周側で、右方向が外周側。内周から外周まで、グラフの高さが一定している事も、優良ディスクの必須条件になる。

グラフ右側に並ぶ 2~16までの縦軸は、ドライブ速度を表示していて、グラフ中心辺りに、左から右へと右肩上がりラインの事である。これ自体は品質に直結しないので、あまり気にする必要はない。

それでは、下のグラフに目を移してみよう。こちらは、ECC によるエラー補正を行った後のグラフになっている。緑色部分が PIE (Parity Inner Error) を補正出来た数で、黄色部分が補正できなかったエラー箇所 PIF (Parity Inner Falure) になる。先ほどの PI グラフと同様、この数値も単純に低いほど優秀だと見れば良い。一般的な DVDディスクで、この値は 1~4 程度。これもすべてが 0 になる事はまずあり得ない。赤いグラフで 8 以上の数値が出るようだとかなり危険である。

PIF が検出されたブロックは、その後 ECC による二次補正が行われる。これでも補正できなかったブロックが PO (Parity Outer) と呼ばれる「完全不良ブロック」で、再生はほぼ不可能になる。画面右下にある「 PO 修復不可能」の数値がそれである。

計測ツールも揃い、いざ検査開始!
はたしてどの程度の不良が出るのか戦々恐々の日々

ドライブ調達、次の作業は

さて話を2008年初春に戻すとしよう。 DVD-R の再生不良が見つかって以来、苦い思いでお雑煮を噛み締めながら、DVD情報をネットで収集し、計測用ドライブと計測用ソフトの調達までは何とか進展した。ここで次に行うことは「選別の基準」を設けることである。

まずは基準値探しから

ネット上の、DVD計測・評価サイトでは、同じメディアを複数のドライブで計測する。データの公平性という点では重要な事なのだが、今の自分に必要なのは、手持ちの機器で正常に再生できる DVD がどれか。再生できない DVD を復旧できるかにある。そこで、この時点でエラーが発見されている 12 枚の DVD を、ゲーム機を含む 7機種で再生してみる事にした。

12 枚の再生不良メディアで、正常再生できた枚数が多い順に並べた結果は下表の通り。確認した機種が古いという点は置いておくとして、再生機器の発売時期が新しければ、再生確率が高いわけではない事が解る。

再生機器 発売時期再生枚数
PC(LITE-ON A4S1) 2007年8 枚
PC(Pioneer DVR111L)2007年6 枚
東芝 RD-XS30 2003年5 枚
Microsoft XBOX(旧) 2003年3 枚
Panasonic NV-VP50S 2003年3 枚
SONY PS2(50000番) 2003年3 枚
SONY PS2(70000番) 2005年1 枚

ここで、一番再現率の悪かった SONY PS2(70000番) で再生できた DVD-R メディアを計測してみると PI値は 80~100程度。再生できなかった DVD-R メディアはいずれも平均 PI 値 120 を超えているので、当方の再生環境では、PI値 が 80未満なら安全圏、 PI 値 100 を超えたメディアは焼き直しの対象として良いだろう。閾値は PI 値 100 辺りだろうか。

再度お断りしておくが、これはあくまで当方で使用しているメディアと再生機器の相性である。また当方の計測で PI 値 100 になったメディアが、他の方の計測環境で同じ数値になる保証はない。いくつかの計測サイトを見て回った所、PI 値 100 で問題なしと書いている所もあれば PI 値 20 を超えたら糞メディアと言い切っている方もいる。個人による評価のずれがある事自体、計測本来の目的である「統計による客観的データ」を逸脱している。この時点でサンプルにしたメディアも僅か 12 枚と少ないので「目安」程度に見ておいて欲しい。

いざ!計測本番!

ここまで来れば、あとは計測あるのみ。1 枚辺りの計測に要する時間は約 10 分、1日 10 時間 / 60 枚のペースでも、1,500枚を確認し終えるのに 1 ヶ月近くかかる・・・そう考えた時点で、急速に気力が萎えていく。しかし、ここで止めてしまっては元も子もない。

ここからは、投げ出したくなる気持ちをグッと堪え、ひたすら計測を行う日々が、延々約 40 日続く。飽きっぽい性格の私にしては、よく頑張った物だと思うが、この間の日記を書くのはは止めておこう。「人の不幸は蜜の味」と考えている方々に、わざわざご馳走を振る舞う気にもなれないし、単調な作業の繰り返しでは、これといった話題もない。

さて、この結果や如何に。

全 DVD-R の計測結果が出揃った
捨てる?焼き直す?買い直す?

悪戦苦闘の40日を乗り切り、やっと辿り着いたのは、悲惨な結果だけである。ある程度、予想はしていたが、こうやって現実を突きつけられたショックは隠しきれない。DVD-R とは、この程度の代物なのか。それとも特価品に弱い貧乏人の「安物買いの銭失い」だったのか。

DVD-R 生存率 結果発表

2年前のメモ書きによれば、この時点で手持ちの DVD-R は総数 1,588枚だった。同じ作業の繰り返しで、頭も麻痺状態にあり、計測し終えた DVD-R を再計測してしまったり、カウントし忘れたりの単純ミスも多かったように思うが、結果は次の通りである。(国内・海外を生存率順に掲載)

国内メディアID確認枚数生存枚数生存率
太陽誘電TYG02-0342041699 %
ソニーTYG02797797 %
三菱化学MCC403895 %
マクセルMXL28820270 %
その他の国内製品454191 %
国内合計87277488 %
海外メディアID確認枚数生存枚数生存率
SPIN-XCMC3030100%
PrincoPRINCO383181 %
ラディウスOPTODISC41021552 %
RIDATARITEK681928 %
メディアエンポリアムREADDATA14413 9 %
その他の海外製品26830 %
海外合計71631644 %

TYG02 TYG03 のようにメディアID別(種類・記録速度)に分類する余裕が無かったのが残念。

国産 VS 海外製

一見してお解りの通り、国内製造メディアの優秀さに比べ、海外製メディアの不良率が圧倒的に高い。これは後に解ったことだが、私が購入したメディア群は、海外製でも特に「地雷」扱いのメディアが多かったらしい。この結果だけで「海外製は粗悪品」と決めつけてはいけないが、こちらもそういう製品をわざわざ好んで購入しているわけではないので、この結果もある意味で「実情」である。

国産メディア【太陽誘電】

「Thats」シリーズの DVD-R を販売する太陽誘電は、CD-R 時代からリファレンスメディアとして利用されている老舗メディアメーカーである。自社ブランド製品の製造・販売だけでなく、国内メーカーの OEM製造も請け負っており、MAXELL や TDK などの一部メーカーを覗く国内メーカー品の多くは「太陽誘電 OEM」だ。パッケージに「国産」と表記された製品はほとんどが太陽誘電製だと思って間違いないだろう。

「高品質・高単価」の代表格だった太陽誘電製品も、数年に渡るシェア争いの影響で低価格化が進んだ。お陰でここ 4年ほど、メインメディアとして利用している。不良率も圧倒的に低いが、それは書き込んでからの年数が少ない事も理解しておいて頂きたい。

国産メディア【マクセル】

HDD/DVDレコーダーを購入し、手持ちの LD/VHD を DVD-R 化し始めたのが 2002年頃。当時からレコーダーとメディアの相性問題は多く、DVDレコーダー製造各社とも Panasonic 製 DVD-R メディア以外の互換性を一切保証していなかった。この時期の Panasonic 製 DVD-R メディアが 1枚 400~500円と高額だった事もあり、比較的評判が良く、半額程度で購入できるマクセル製を購入している。そのため、古い物だと書き込んでから既に 8年以上経過しているので、マクセルの不良率が高くなるのは致し方ない所である。よく 8年も持ったと見るか、8年しか保存できないと見るかの判断はお任せしておくとする。

マクセルのメディア不良が、なぜ今まで見つからなかったのかと言うと、先に書いたように、この時期は LD/VHD の DVD-R 化が中心だった事にある。当然 LD/VHD を購入するほどのお気に入り映画ばかりなので、廉価版の DVD が発売されると、性懲りもなく買い直している。不要になった DVD-R は捨てても良かったのだが、誰か欲しい人がいればあげるつもりで放置しておいたため、確認していなかった。

海外製メディア

安さにつられて購入したのが運の尽き。5年スパンで保存できるメディアは皆無と言えるほど悲惨な状況になってしまった。CMC製のように、非常に優れた結果が出たメディアもあるにはあるが、評価を判断できるほどの使用枚数ではない。意外だったのが Princo 製品だ。巷では「糞メディアの代名詞」になっているが、手持ちディスクの保存状態は良好だった。

廉価版DVDで買い直すか?それとも焼き直すか?
これからが修復本番

さて買いなおすか

DVD の本格的な普及から 10 年も経てば、さすがに大多数の映画タイトルは、DVD でリリースされている。往年の名作モノクロ映画に至っては、ワンコイン 500円で購入できるご時世である。今回の不良メディア大量消失は「しょうがない」と諦めて、主だったタイトルを DVD か Blu-rey で買い揃えるべく、リリース情報を確認してみた。

消失した約 500タイトル中、既に DVD を入手済みの作品が、約 70 枚。これは無条件で処分。残り 430 枚の内、Blu-rey でリリースされている物は僅か 8 作品。DVD で 約 110 作品ほどだった。今回はタイトル数の少ない Blu-rey は諦め、1,000 円台で購入できる DVD タイトル 30 作品を補充して、残り約 400 枚の救済開始である。

まずは PC のドライブで救済

据置型 DVD 機で再生できないメディアでも、PCに接続したドライブでなら読めるメディアも多い。そこでまずは、DVD メディア検証用に購入した LITE-ON 製ドライブから、Windows エクスプローラーでファイルを抽出して、DVD に焼き直してみた。これで「ある程度」救済出来たメディアが約 130枚。但し、すべてが元の状態になったわけではない。

実際に再生してみると、途中でコマ送り状態になってしまう物や、ブロックノイズが発生してしまう物もあり、完全復旧とは言い難い。ファイルとして抽出出来たのだから元と同じ状態ではないのかと疑問に思われる方もいるだろうが、「データとして詠み出せた」事と「そのデータが元の情報をすべて持っている」かは別問題と言う事だ。読み出した時点で、既に元の情報が欠損しているのだろう。「ある程度」と表現したのはそういう理由である。

使い道の無かった古いドライブで

等倍速や 2~4 倍速程度の PC 用 DVD ドライブ初期の製品。回転速度が遅く、読み取り制度が甘い事が幸いし、エラーディスクの読み出しに成功する場合があるらしい。理屈としては合っているような気もするし、都市伝説にも聞こえる話だが、物は試しと、古いドライブを押し入れから引っ張り出して試してみると、意外や意外!予想に反して、約 30 枚を復旧させる事に成功した。これはうれしい誤算だった。

CD/DVD リカバリツール

DVD が読み取れなくなるケースは、CD 時代から頻繁に発生していた。従って、CD や DVD からファイルを抽出する「リカバリ専用ソフト」も多数リリースされている。今回はその中から、無料で利用できる「CD Recovery Toolbox」を利用してみる事にした。海外製のソフトだが、操作自体は非常に単純なので、英語が苦手な方でも問題なく利用する事が出来るだろう。
CD Recovery Toolbox(英語)

「CD Recovery Toolbox」に代表される「リカバリツール」は、DVD ドライブのハードウェアを直接制御し、読み出し回転速度を落としたり、同じ領域を複数の方法で読み取るなどの処理を行い、データの復旧を試みる。但し、ドライブ本来の読み取り性能が高まるわけではないので、過度に期待してはいけない。また、ドライブ自体にも相当の負荷がかかる事は覚悟しておこう。 ちなみに、今回の修復時にもっとも時間がかかったディスクだと、最初の 1 ギガを読み終わるまでに 1 時間弱もかかっており、本来ならば、ここまでドライブを酷使する前に諦めるべきだと思う。部分的に止まる程度ならば、山を越えればリカバリできる可能性が高い。

結果「CD Recovery Toolbox」を利用して読み出しに成功した枚数が 15 枚。メディア復旧作業として考えられるのはこの辺りが限界だろうか。

メディア復旧総決算

結果的に、復旧を試みた枚数 400 枚中で、多少の問題を抱えながらも復旧した枚数は、半数に満たない 180 枚弱となった。エラー発見当初は自暴自棄で諦めていたのだから、これでも上々の結果だと、自分自身を納得させる事にした。

復旧作業の状況を 1ページで纏めたが、実作業は 2 ヶ月以上に上っている。メディア検証から始まって半年近くもの無駄な時間と費用を費やしてしまった。

同じ轍を踏むな!
後悔しない為の DVD-R 作成お約束条項

DVD メディアは、品質のバラつきが非常に激しい商品である。同じメーカーの同型番製品ですら、製造ロットによる出来不出来が頻繁に生じている。新製品になったからといって品質が向上したという保証は無い。いやむしろ、最近の傾向として、新製品ほど品質が低下している。国内メーカーブランドで発売されているメディアのほとんどが、台湾メーカーのOEM生産に切り替わってしまい、ブランドだけで良し悪しを判断する事も出来ない。

メディアの価格にしても幅が広い。DVD-R を例に挙げると、海外製で 1 枚あたり 15 円を切る激安品から、国産だと 1 枚 500 円以上の高級品?まで、実に 30 倍以上の開きがある。それでは一体、何を基準に選べばよいのだろうか?

その1:海外製メディアは使うな

書き込み品質の保持や、経年劣化を抑えたいのなら「国産品」を選ぶ事。なにも海外製品のすべてが悪いと言うつもりはないが、先の不良ディスク検証でお解かりの通り、国産品と海外品では、歴然とした品質格差がある。安さに釣られ海外製メディアを購入したものの、後々不良にでもなれば、結果的に高い物になってしまう。

但し、ここで言う「国産品」とは「国内メーカー品」ではない点に注意して頂きたい。一時は高品質の代名詞のように扱われていた「マクセル」も、現在は国内生産を止めて、すべて海外生産に切り替わってしまった。海外メディアと比較するなら、かなり優秀な部類になるのだが、品質の低下は甚だしく、とても国産レベルと呼べる代物ではない。

「国産品」の見分け方は単純で、パッケージの「原産国」が「日本」と表記されている製品を選べば良い。具体的には「That's ブランド」の太陽誘電製品か、国内メーカーの「原産国表記が日本」の製品となるが、後者もほとんどが太陽誘電の OEM 製品なので、実質的には「太陽誘電製品」一択となる。

余談になるが、秋葉原店頭や、メディア通販などで「業務用メディア」と称する製品が出回っているが、間違っても「業務用=高品質」などと考えてはいけない。「業務用」とは、パッケージングや印刷などの手間を押さえた量販用の低価格品であり、一般的に品質は良くない。「業務用」の中には、パッケージを偽装しただけの「模造品」もあるので注意しよう。

その2:二層メディアは使うな

連続ドラマや TV アニメなどで放送回数が少ない(1~2クール)番組だと、録画時の圧縮率を高めて、DVD 1枚に収めたい場合がある。このような場合に利用するのが、片面二層で 9GB 超の容量を持つ DVD-R(+R) DL メディアだ。今回の検証内容には含まれていないのだが、この片面二層メディアも要注意である。

片面二層メディアは、通常 DVD-R 同様の一層目と、その下層に二層目を記録する方式になっている。この構造上の理由から、一層目から二層目に切り替わる際に、再生が一時停止してしまったり、二層目に入るとブロックノイズが多発したりと、どのメーカーの製品も二層目の品質が良くない。これまで私が購入した片面二層メディアは 20 枚程度なのだが、現在まで、まともに残っている片面二層メディアはない。

どうしても片面二層メディアを使用して、より多くの動画を保存したいのであれば、DVD-R DL を使うのではなく、潔く Blu-ray 録画に切り替えるのが賢明だろう。

その3:録画ドライブ・再生機との相性を確認しろ

DVD ドライブは、メディアに書き込みを行う際、メディア固有の ID を、ドライブ内の情報と照合し、レーザー強度をコントロールする仕組みになっている。メディアに対応する情報が無い場合は、一般的な設定強度で書き込みを行う事になる。そのため、古いドライブで、新製品のメディアを使用すると、最適な結果が得られない場合もあり得るわけだ。

これを相性と言うのは間違いだが、使用するドライブによって、メディアの書き込み品質評価が違ってくる。友人のドライブではエラーばかり発生するメディアが、自分のドライブでは何の問題もなく良好な事もある。メディアを購入する際は、まず少量購入し、自身の環境でテストして判断するくらいの慎重さが欲しい。

その4:最外周まで書き込むな

DVD メディアの記録層は「スピンコート」と呼ばれる方式で生産されている。メディアのベースとなるポリカーボネイト円盤の上に、一定量の色素材を垂れ流し、ディスクを回転させた遠心力で、周囲まで均一に塗布する。その結果、ディスク内周部は厚めの記録層が、外周部は薄めの記録層が出来上がってしまう。録画の後半部に当たる「ディスク外周部」でエラーが多くなる理由はここにある。

これは DVD の構造的な問題なので、たとえ国産品でもディスク最外周まで記録するのは好ましくない。4.7GB の容量をフルに使い切らず 4.3GB 辺りに抑えておくのが良い。外周部の弱さが顕著な海外産であれば 4GB を超えて使用するのは避けるべきだろう。

その5:定期チェックを忘れるな

せっかく作った録画ライブラリなのだから、なるべく長期間保存しておきたいのは人情。出来る事なら、黒ケースや、黒画用紙のスレーブを挿入し、外光を極力遮断する。湿度・温度変化が少なく、日差しの射さない場所で保存するのが無難だろう。取り扱い時にもディスク記録面に指紋や傷をつけないように注意する。まるで腫れ物に触るかのようだが、現在のように高密度化した記録メディアでは致し方の無いところだ。

そこまで気を配っていても、いつかは消えてしまうのが「記録メディア全般」の宿命である。少々面倒ではあるが、購入したメディアのロット毎に1枚、録画したタイトルを控えておいて、不定期にチェックする事をお勧めしておきたい。確認する頻度は年に1度程度で十分なので、正月やゴールデンウィークの暇つぶしにでもしては如何だろうか。

落胆させるようで申し訳ないが、経験則で言うと、国産メディアで 10 年、海外産メディアで 5 年、二層メディアで 5 年程度が保存寿命ではないかと考えている。10 年というスパンは長いようで意外に短いものである。

その6:パソコン雑誌を信じるな

DVD-R はレコーダーやドライブに対応した記録速度があるのはご存知だと思う。メディアのパッケージに[ 1X-16X ]と書かれていれば、そのメディアは等倍速から 16 倍速の書き込み速度に対応するという意味だ。

書き込みを行うドライブ側にも同じようなスペック表記があり、[ DVD-R Read 24/ Write 20 ]となっていれば、最大読み込み速度が 24 倍速、最大書き込み速度が 20 倍速である。実際には 20 倍速対応のメディアは市販されていないので、これはドライブメーカー独自のオーバードライブ仕様になる。

さて実際問題として、このオーバースペックは有効なのだろうか。結論から言ってしまうと「メディアの規定速度以上で記録した場合の品質は良くない」と断言できる。過去に何機種かのドライブと数種類のメディアで検証した結果を、後述の個別メディアの解説に掲載してあるが、規定速度と同程度の品質で焼き上がった物はない。

逆に、低速で焼いた場合はどうかと言うと、16 倍速メディアを 8 倍速で焼き込んだ場合、16 倍速と同等もしくは、16 倍速より良好な結果が出ているケースも多い。但し、4 倍速以下まで落とした場合は悪くなるようである。現在、店頭で入手できる DVD-R は、ほとんどが16倍速物になっている現状を考えた場合、定格通り 16倍速で焼き込むか、8 倍速に落として焼くのが正解だ。

ちなみに、焼き込み速度と焼き込み時間の関係は次のようになる。不思議に思うかも知れないが、16 倍速は 8 倍速の半分にはならない。どういう事かと言うと、8 倍速以上で記録する場合、内周部と外周部で記録スピードを変える「記録方式の違い」による物である。
   4倍速 15分
   8倍速 8分30秒
  16倍速 6分
  20倍速 5分

ドライブを購入する場合、より早い速度の製品を選ぶ。記録メディアも同様で、同じ価格で 8 倍速製品と 16 倍速製品が並んでいれば、一般的には後者を選ぶ傾向にある。 これに便乗するのがパソコン雑誌である。ドライブの新製品紹介記事では「XX倍速で焼けた」「XX倍速だとXX分の時間短縮」など、無責任きわまりない内容が並ぶ。まあドライブ紹介など、これと言った特徴がないだけに、スピード競争で読者の目を引こうとする気持ちも解らないわけではないのだが、無知を曝け出しているようなものだ。

PC 用 DVD ドライブを使っている方ならお解りの通り、16 倍速を超えるドライブなど、あまりの爆音で実用性は皆無である。この点はメーカー側でも解っており、わざわざ、ドライブの回転数を落とすためのドライバを同梱しているのだから、本末転倒と言うしかない。批判めいた文書はこの辺にしておくが、このページを読まれた方は、目先のスペックに踊らされず、製品選びをして頂きたい物である。

ACRO Circle 等倍速ゴールドレーベル

DVDレコーダーが一般に普及する兆しを見せた 2002年頃のメディアは、国内・海外を問わず玉石混合の時代。そんな中、店頭販売は一切行わず、ネット通販に限定した「メディアエンポリアム」初期の製品シリーズが Acro Circle である。

送料を含めても他社製品より若干安いうえ、品質に対する評判が良かったため、入荷待ちの状態が続くほどだった。私自身も試験的に数枚購入した結果が悪くなかったので、その後 100枚単位で 3回ほど購入したのだが、半年も経たずに読み取りエラーが頻発し、現在、正常に再生できる DVD-R の枚数は、僅か10枚程度という悲惨な結果となっている。

ちなみに、同時期に購入した 40枚の DVD-RAM はいまだ現役で繰り返し利用している。DVD-RAM に関しては安定しているが、そのクオリティが現在まで通用しているのか定かではない。

定点観測に意味はあるのか

一時期「LDプレーヤー」と覇権を争った「VHDプレーヤー」も、最近ではその存在自体をご存じ無い方が多いようで、必ず「VHSの間違えでしょ」と言われる。どうやら HD-DVD と共に黒歴史化してしまったらしい。このメディアに録画した「評決」も「VHDプレーヤーが動いている間に」と残しておいた法廷物の傑作映画で、廉価版DVDが入手できてお役ご免となったメディアである。

定点観測を行う意味合いはないのだが、経年劣化がどのように進むのか、しばらくの間は捨てずに観察対象としておこう。

メディア諸元

製品名称ACRO Circle 等倍速ゴールドレーベル
Media IDLead Data
録画機器RD XS30
録画日時2002/11/17
録画内容評決「ポール・ニューマン」

計測日 2009/12/13

PIF の低さが唯一の救いになっているが、PIE(グラフ上部)が常時 100 を越える状態のため、手持ちのプレーヤーではまともに再生できない。

メディア諸元

製品名称ACRO Circle 等倍速プリンタブル
Media IDLead Data
録画機器RD XS30
録画日時2003/01/18

計測日 2009/12/14

こちらも常時 PI 200 を前後した上に、外周部では 600 を超える状態になっている。もはや単なるゴミである。

三菱 4倍速カラープリンタブル

ごく薄めに着色されたカラープリンタブルタイプ。この手の製品は各社から発売されているが、カラー物は不人気なせいか、特価品で見かけることが多いメディアである。当時のメディア計測系掲示板では、良品として話題に上る事も多かったのだが、今になってみれば凡庸なメディアという評価になるか。

ヴァーホーヴェン渾身の怪作?

止せばいいのに、映画スターの座を捨てて州知事になった、ご存じ「シュワちゃん」の代表昨のひとつ「トータル・リコール」は、近未来を舞台にした「何でもありのアクション系 SF」である。娯楽性の高さから、頻繁にテレビ放送されているので、一度はご覧になった事だと思う。登場キャラからストーリー設定まで、良い意味での B 級テイストを漂わせる、ポール・ヴァーホーヴェン監督渾身の「傑作」・・・と言うよりは「怪作」としてお勧めの作品である。

これも DVD で所有しているのだが、テレビ録画版を見る事のほうが多い。ちょっとした暇つぶしに「ながら」で見る時など、テレビ放送向けに尺がカットされている分、全体のテンポが良いせいだろう。こういう映画は吹き替えに限る。

メディア諸元

製品名称三菱化学 4倍速カラープリンタブル
Media IDMCC 00RG200
録画機器RD XS30
録画日時2003/01/16
録画内容トータル・リコール「アーノルド・シュワルツェネッガー」

計測日 2009/12/13

焼き込みから 7年弱経過した時点での計測となったが、中心から外周まで、見事なほどの右肩上がりグラフとなっている。期せずして CM をカットして焼き込んだ分、4GB 前後の容量になったお陰で再生できたというのも皮肉な物だ。このメディアで外周まで使っていたら・・・。

MAXELL 8倍速ゴールドレーベル

メディア 1 枚が 500円超の 2004年以前。今でこそ高品質と評価される(されていた)「MAXELL」ブランドも、当時は、特価品の代表格として店頭に山積みされるメディアだった。私自身は、何度かのテスト購入で良品と踏んでいたのだが、意外にネット上の評価があまり良くなかったのが不思議に思えた程である。

さて、それから約 8 年経過し、結果的に、初期に購入した「等倍速メディア」と「一部の 4 倍速メディア」がほぼ全滅している。計測結果を載せようにも、ドライブにマウントする事すら出来ないのだからどうしようもない。当時の段階で数年先の保存性を予見できる材料など、誰も持ち合わせているはずがない。しかし、こうして振り返ってみると、ネットの評判は、ある意味正しかったのかもしれない。

MAXELL ブランド黄金期

上記に反して「8倍速」以降のメディアは、ほぼ全数健在で、検証結果も安定している。まだ書き込みから何年も経過していないため、早計に判断できないながら、手元のメディアだけを見た場合、2005年辺りから、国内生産を終了した 2009年までが、MAXELL ブランド DVD メディアの安定期・黄金期だったように思える。

2009年の自社生産終了に伴い、海外委託先として提携したのが、かの悪名高き RiTEK である。デフレ傾向に歯止めのかからない商環境において、生産のアウトソーシングは致し方のない傾向だとしても、海外製メディアの水準にさえ達していないメディアを発売されては、今までの利用者離れが進むのは当たり前である。

古くは音楽用カセットからビデオテープ、MD・CD と「記録メディア」の開発に専念し、一定の高評価を獲得してきた MAXELL ブランドだが、記録メディア以外の自社製品をほとんど持たない会社が、DVD の自社生産を止めてしまった意味は大きい。このまま縮小均衡路線を取るようなら、MAXELL 自体の存続にまで影響する事だろう。永らく MAXELL ブランドを愛用してきた者として、高品質 MAXELL の復活を願うばかりである。

メディア諸元

製品名称MAXELL 8倍速ゴールドレーベル
Media IDMXL RG03
録画機器PIONEER DVR-105
録画日時2005/12/17

計測日 2009/12/13

初期の等倍速メディアは全滅してしまったが、8 倍速以降の MAXELL は平均的にこれくらいの品質があったという見本になる。ディスク後半部で計測値が若干膨らんでいる点を除き、ピークでも PI 値 10 前後と、さすがに国産ならではの高品質メディアと言える。

PRINCO SuperX 等倍速レーベル

「自動消去機能付き DVD」や「ピックアップ破壊王」等、スパイ御用達アイテムとして大好評を博したプリンコ社製造の SuperX 等倍速ディスク。ドライブとの相性以前に、まともに焼き込む事自体が奇跡に近い「地雷の中の地雷」メディアと言われ、ネット上では「プリウンコ」と言う有難くない冠まで戴いている。手持ち SuperX の実績として「録画内容消失まで最早2週間」という記録はいまだ破られていない。

悲壮感漂う投売りメディア

私がDVDレコーダーを購入した頃から存在する(ある意味)老舗メディアとして、価格の安さから家電量販店でも販売されていたが、メディア品質や ID 詐称問題が知れ渡るようになった 2006 年前後には、秋葉原店頭でも投売り状態になっていた。国産 DVD-R メディアの相場が、1枚 150~200円の時代に、スリムケース付きで 10枚 200円という超破格値!。私自身は、メディア保存用のスリムケースを単品で購入するより安いので、ケース目的で購入したが、メディア事情にあまり詳しくない(会話から判断して)風情の方が、安さにつられ大量に購入しているケースをよく見かけた。「メディアを引き取っていただければケースをお安く提供しますよ」と言わんばかりの可哀相な製品である。

さて何に使ったものか

メディアは使わずにそのまま捨てても良かったのだが、そこは貧乏人のサガ。何かに使えないかと考えた挙句に、「取り敢えず消えても悔やまない映画でも」と録画したのが「岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説」である。井筒和幸監督の「岸和田少年愚連隊」は有名だが、これはその番外編としてシリーズ化された「学ランバイオレンスコメディ」にあたる作品。武内力扮する「脳みそ筋肉番長カオルちゃん」が活躍する痛快コメディ映画なのだ。カオルちゃんファンに誤解の無いように説明しておくが、「消えても悔やまない」と書いたのはほめ言葉に近い表現。もし消えてしまったら DVD を購入してもいいかなくらいに面白い、あまりにもばかばかしいコメディ映画としてお勧めしておきたい。

メディア諸元

製品名称PRINCO SuperX 等倍速レーベル
Media IDPRINCO
録画機器PIONEER DVR105
録画日時2006/06/20
録画内容岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説

計測日 2008/01/24

このメディア、3GB以上書き込むと確実に読めなくなる事が解っていたので、あえて容量の半分程度に収めておいた。と言うか、シリーズで3本程度放送されたら纏めて DVD-R に焼き込もうと保存しておいたのだが、その後録画し忘れ、これ1本だけが取り残されただけなのだけれど・・・。

さて、書き込みから 1年7ヶ月経過した時点での計測結果は、驚くほどに優秀である。いや本当に驚いた。グラフだけ見ると、国産 DVD-R と遜色ないどころか、国産最高品質メディアにも匹敵する品質だった。(但し 3GB 以内限定)

計測日 2009/12/12

わけあって、上記メディアを処分してしまったため、同じ型番のロット違いメディアで経過計測を行ってみた。こちらは 2007/02/18 に、友人の集まりでネタとして作成した「一般投稿のおもしろ動画集」だが、焼き込みから既に 2年10ヶ月経過している。このような「どうせ消えても・・・」なんて思っているものに限って問題が発生しないのは世の常だが、それ以上の好成績でほとんど劣化は見られない。たまたま当たりロットだったのか、焼き込みドライブとの相性が良かったのか。いずれにしても、このロットのメディアについては「汚名返上」と言えそうだ。(但し 3GB 以内限定)

Radus 8倍速シルバーレーベル

国内中堅の Radus は、台湾 OPTODISC 社の OEM メディアを販売するメディアメーカーである。一時期はスピンドルパッケージの安売りが目立ったが、最近は店頭で見かける事も少なくなった上に、国産メディアより高く売られる傾向にある。

今回の不良メディア発覚の切っ掛けでもあり、また最大の被害を及ぼしたメディアだ。「TVオド録」と言うネーミングは、耐久性のなさに驚くという意味なのか?とおもわず皮肉が出てしまう。但し、国内メーカーという事で、製品のサポート体制は非常に良い。

手持ちのメディアは、書き込み後 6 年経過の「等倍速プリンタブル」と、書き込み後 4 年強の「4 倍速プリンタブル」になる。計測グラフだけを見ると、再生できない程の粗悪品ではないのだが、実際の再生ではブロックノイズや一時停止が頻発してしまうのが悩ましい所だ。別ページに掲載した RiTEK や MAXELL 等倍速のように、マウントすら出来ない程のものは無かったので、結果的には大半の録画内容を救済出来たのが救いになっている。

今回は「等倍速」「4 倍速」メディアの結果を記録に留めておき、不良交換で送られてきた「8 倍速シルバーレーベル」を定点観測用としておこう。

Radus 等倍速プリンタブル

Media IDOPTODISC
録画機器RD XS30
録画日時2003/02/07

PI値 80~100 を推移する、これくらいのメディアが、当方の手持ち再生機器で再生できる限界だった。ネット上の計測サイトでは 150 位までなら再生に支障はないらしい。また海外製メディアの計測値が 60~80 程度と報告されているが、当方で計測の海外製メディアが平均 40 程度な点を考えると、LITE-ON製ドライブでの計測結果が甘く出ているのかも知れない。

Radus 4倍速プリンタブル

Media IDOPTODISCR04
録画機器Pioneer DVR105
録画日時

3.5GB を超えた辺りから急激に品質が劣化している「典型的な海外製メディアの特徴」が現れており、当然の事ながら、録画後半部は再生できない。

Radus 8倍速シルバーレーベル

Media IDOPTODISCR08
録画機器RD XS30
録画日時2008/01/31


8 倍速メディアを、等倍速書き込みの DVD レコーダーで録画した直後のグラフになる。記録品質は並の海外製メディアといった程度だが、下グラフの PIE が全週に渡って発生しているので、古いドライブで使用するには無理があるようだ。

焼き込み速度と品質

ちなみに、PC用ドライブで記録速度を変えて焼いた結果が次の通りである。まったく同じ内容で焼き込んでいるわけではないが、ある程度の比較にはなるだろう。

Radusレーベル 8 倍速( 12 倍速焼き)

フライングの 12 倍速書き込みは、書き込み前半でエラー発生。二度同じ結果だったので中止した。

Radusレーベル 8 倍速( 8 倍速焼き)

さすがに定格での焼き込み直後だけに良好。1.5GB 辺りのスパイクノイズを除けば、国産メディアにも匹敵する品質に見える。

Radusレーベル 8 倍速( 6 倍速焼き)

平均して PI 値が 20 を超える。

Radusレーベル 8 倍速( 4 倍速焼き)

PI 値が 20 を超えるのは 6 倍速書き込み時と同様だが、先頭部分の状態も悪化している。これらはメディアの誤差とも取れるが、8 倍速定格以外の書き込み速度には適さないメディアのようである。

定点観測メディア

今後の経年劣化を観察する意味で、比較的状態の良い物と、再生には支障ないが要注意のメディアを定点観測用としてピックアップしてみた。

メディア諸元

製品名称Radus 8 倍速シルバーレーベル
Media IDOPTODISCR08
録画機器RD XS30
録画日時2008/01/25

計測日 2009/12/14

メディア諸元

製品名称Radus 8 倍速シルバーレーベル
Media IDOPTODISCR08
録画機器Pioneer DVR111
録画日時2008/01/24

計測日 2009/12/14

RiDATA 等倍速ブルーレーベル Platinum

別ページで酷評した RiDATA(RiTEK) も、昔はこれくらいの品質を誇っていたというサンプルになるだろうか。今更、過去の栄光を記録してもしょうが無いが、別ページ(RiTEK)を読まれて意気消沈している方への救いにでもなれば。

入手困難な LD/VHDプレーヤー

LDプレーヤー・VHDプレーヤー共に動作が怪しくなったため、まだ観られるうちにと DVD化しておいた映画「恐怖の報酬」。大量エラー発生時点では、既に DVDパッケージ版を購入していたため、メディアの定点観測用としてストックしておいた。(単に捨てるのを忘れていただけ)

油田火災を鎮火するため、安全装備も不十分なトラックの荷台でニトロを運ぶ「恐怖の報酬」は、パニック映画の古典的傑作として評価が高い。映画マニアの間では、モノクロのイブ・モンタン主演 1953年版に人気が集中するが、個人的には、リメイクとなるロイ・シャイダー主演 1977年版も悪くないと思っている。

メディア諸元

製品名称RiDATA 等倍速ブルーレーベル Platinum
Media IDRITEKG03
録画機器RD XS30
録画日時2003/04/18
録画内容恐怖の報酬「イブ・モンタン」

計測日 2008/02/03

グラフを見る限り、並以上の品質を持つメディアと言った感じなのだが、録画から約5年経過している点を加味すると、かなり質が高いのがお分かりだと思う。書き込みマージンを多めに取るレコーダーの特性で、4GB超の外周部がどうなのか解からないのが惜しい所だ。

計測日 2009/12/12

前回計測時点から、記録品質が若干良くなったように見えるのは、ドライブのファームウェア変更の影響か、計測誤差の範囲だろう。焼き込みから6年半、ほぼ初期の品質を維持している。

RiTEK 8倍速プリンタブル

全般的に記録品質の悪い台湾製メディアの中にあって、若干高めの価格ながら、かなり安定した製品を提供していたのが RiTEK である。店頭では RiTEK ブランドや RiDATA ブランドの名称で販売され、模造品が出回る程の人気メディアだったのだが、2004~2005年を境に急激な品質低下で信用を無くしてしまった。焼きこみ後 1 ヶ月と持たずにデータが消える症状でネット上でも祭り騒ぎになるが、その後、サポートを打ち切り、国内の販売会社を閉鎖。不良メディアの大量発生で、これ程顰蹙を買った会社も前代未聞だろう。

DVDの黒歴史再び?

メディア市場から姿を消すのかと思いきや、臆面も無く自社ブランドで現在復活している上に、国内大手メディアメーカーの OEM 生産を受け持っているのだから始末に悪い。

不良メディアの代償

主に仕事のデータ渡し目的で使用していたため、焼き上げ後の経年劣化に注意を払っていなかったメディアだったが、取引先の過去データをバックアップしていたために悲惨な結末を迎えた「実質的被害No1」メディアになってしまった。

メディア諸元

製品名称RiDATA 8倍速プリンタブル
Media IDRITEKG05
録画機器PIONEER DVR105
録画日時2005/10/11
録画内容PCデータ

計測日 2008/01/29

PCのドライブでマウントすらできない、ありえない程の粗悪な品質。やっとマウントできた時点で計測を始めたのは良いが、ディスク先頭部分のみで停止してしまった。これ以上、定点観測する意味も無いので、これで終了とする。

Spin-X CMC

「SuperX」と名称が似ているために、粗悪品と誤解される事が多かった「Spin-X」は、台湾 CMC 社が製造する優良メディアと評価されている。ネット上のメディア評価サイトでも人気が高い反面、「見つけたら買っておけ」と言われる程に流通量が少なかったようだ。国内大手ブランドにも OEM供給する CMC だが、8 倍速以降の製品から極端な品質低下が目立う上、製品ラインによるばらつきがあるので、現在入手可能な CMC 社製は、あまり安心できない。CD-R 時代は、Princo と並ぶ地雷メディアの代表格として扱われていた事を踏まえておくべきだろう。

プリンタブルレーベル唯一の欠点

プリンタブル(印刷可能)メディアは大半が乳白色でコーティングされているが、このメディアのように、レーベル面に印刷用皮膜を行った「プリンタブルレーベル」という製品も各社から発売されている。印刷不可のレーベルタイプが売れないせいか、店頭で見かけるメディアはほとんどがプリンタブルタイプなので、このような製品はありがたいのだが、皮膜の密着が悪く、少し擦ってしまうと、皮膜面がパリパリと割れてしまうのが致命的な問題。国内メーカー品でも同様なので、購入時にご注意頂きたい。

メディア諸元

製品名称Spin-X 4倍速 シルバープリンタブル
Media IDCMC MAG AF1
録画機器PIONEER DVR-105
録画日時2005/05/29

計測日 2008/01/26

グラフ上部の平均PIが 4~6 程度と、かなり優秀な結果になっている。

計測日 2009/12/12

前回計測から1年経過していないので、結果はほぼ同じ。相性の問題なのか PS2 では再生できなかった。

太陽誘電 Thats 16倍速セラミックコート

MAXELL、TDK、三菱化学等の国内大手メディアメーカーが、相次いで国内生産を中止してしまい、高品質を旗印に国内生産に乗り出した「ユニフィーノ」も倒産する中で、2010年の現時点で国産メディアを供給する唯一の会社が「太陽誘電」である。他社の国内メーカー品で、原産国が日本と表記されている製品や、国内最高品質を謳う「森メディア」も太陽誘電 OEM になっている。

CD-R 時代からリファレンスメディアとして利用されている老舗メディアメーカーだけあり、品質の高さは折り紙付きなのだが、ここ数年に渡るシェア争いを背景に、低価格化と引き換えに品質が犠牲になっていると言う風評も多い。高品質メディアとして定番だった「 8 倍速メディア」を利用してきた方々から見れば、現在の主流である 16 倍速メディアへの不満はもっともだろう。下図が、高品質と評判の「8倍速プリンタブル(TYG02)」で平均的な計測値になる。

では、実際に品質が落ちているかと言われると微妙な所で、以下の計測グラフが 50 枚 1,500 円程度で大量に廉価販売された「16 倍速セラミックコート(TYG03)」の優良ロットメディアで、平均 PI 値 4~8というトップレベルのクオリティを維持している。

一方で、同時購入した別ロットの 16 倍速メディアは、平均 PI 値が 20 を超えてしまい、海外製の良品メディアクラスと変わらない結果だった。今まで確認した太陽誘電メディアでは、ワーストの部類になる。

現状では、Thats 8 倍速メディアの流通量は少なく、価格も高めで入手が難しくなっている。そのため、長期安定保存を考えた場合、個人が好むと好まざるとに関わらず「Thats 16 倍速メディア」が唯一の選択肢になるだろう。参考までに 16 倍速メディアを 等倍速・4倍速・8倍速・16倍速で焼いた場合のサンプル値を掲載しておくことにする。

等倍速焼きこみ

今時、等倍速 DVD レコーダーを利用している方も少ないと思うが、それ以上に、等倍速ドライブに対応する DVD-R メディアが無い事の方が、利用者にとっては問題かも知れない。そこで、等倍速レコーダーでこのメディアを使用した結果を用意していたのだが、画像ファイルを削除してしまったので、後日対応メディアが見つかった時点で再掲載する。予想以上に良好な結果だったので、古めのドライブ利用者にもお勧めできるかも知れない。

4倍速焼きこみ

8倍速焼きこみ

16倍速焼きこみ

定格 16 倍速の結果が良いように見えるが、ほぼ誤差の範囲程度と見て良い。Radus のようにピーキーな特性ではないので、ドライブを選ぶ事もなさそうだ。

メディア諸元

製品名称Thats 太陽誘電 16倍速セラミックコート
Media IDTYG03
録画機器Pioneer DVR111
録画日時2008/01/12
録画内容刑事コロンボ

計測日 2008/01/22