2010/01

2010年1月掲載

家庭用録画メディアは
VHS から DVD そして Blu-ray へと進化したが

仕事・プライベートを問わず、初めてお会いする方との会話のきっかけで「趣味」を尋ねられるのはよくある事だろう。私自身、過去を振り返って思い出す趣味は、写真撮影・模型作成・ライフル射撃・自動車・ダイビング・ダーツ・映画鑑賞・ジャズレコード収集・パソコン等、ざっくり見て体育会系のジャンルは少ない。車を処分して以降、レースゲームに嵌まりもしたが、これは「趣味」というより「暇つぶし」の範疇だろうか。

映画鑑賞は趣味なのか

ここ10年はパソコン関連が本業なので、これを趣味から除外するとなると、現在まで続く物といえば「映画鑑賞」のみになってしまった。ただ、これが趣味かとなると、なかなか判断が難しい。飯田橋・神保町から銀座辺りまでの二番館・三番館を梯子して、1日10本近くの映画を見ていた学生時代ならともかく(これこそ暇つぶしか)、ここ最近は、映画館に足を運ぶ事など、年に数える程になってしまった。

多くの方と同様に、私の映画鑑賞スタイルも「レンタルビデオ」に軸足がすっかり移っている。どうも「レンタルビデオ」という呼び名から「ビデオテープ」を思い浮かべてしまうが、今時のレンタルビデオ店で「VHSビデオ」を見かける事が無いのはご存じの通りである。店内に並んでいるのは大半が DVD になり、最近では Blu-ray も徐徐に数を増やしているようだ。

デジタルメディアへの分岐点

DVD が普及したきっかけは SONYプレイステーション2 だろう。旧PSに変わる次世代ゲーム機として登場したのが 2000年の春。対応するゲームも数本しかなかったが、市販DVDが再生出来たため、ゲーム機兼用の据え置き型DVDプレーヤーとして人気が高まった。事実この年から、市販DVDタイトルのリリース件数は急激に伸びている。そして、2002年末には DVDのプレス枚数が、ビデオテープの生産本数を上回るまでに普及した。

問題は記録メディア

DVD の普及を背景に、家庭でのテレビ録画も VHS から DVD へ、更に Blu-ray と推移してきている。私が DVDレコーダーを初めて購入したのが、2002年頃の「東芝 RD-X1」。つい最近の事だとばかり思っていたが、もう8年以上前の話になるのだから、時の経過は早い物である。

テレビ放送も、長く続いたアナログから、 BS CS を経て、地デジへと推移し、メインの録画を DVD / Blu-ray に完全に切り替えている方も多いのではないかと思う。しかし、ここで問題となるのが「記録メディア」だと言うことを解っている方は意外と少ない。

お気に入りのテレビ録画
我が子の成長を記録したホームビデオ
大切なあなたの録画メディアは大丈夫?

しょっぱなから脅かすような話になって恐縮だが、皆さんが録画した DVD-R メディアは、ちゃんと再生できているだろうか?。いや、再生出来るかどうか、確認したことはあるのだろうか?

20年間のコレクション

私のオーディオ・ビデオラックには 20年以上に渡って購入した大量の LD/VHD と、映画やテレビ番組を録画済した VHSテープ が収納されていた。LD や VHD の再生機器は老朽化し、新たに入手するのは難しい。このままでは何時まで再生できるかの保証が無いと考え、省スペース化・DVD化を始めたのが 2002年頃である。それから8年以上が過ぎ、手持ちの DVD-R も 1,500枚を超えようとしている。

私の場合、1日平均 1~2本のペースで録画済み映画を見るのが日課となっているので、約3年ほどで、手持ちタイトルをすべて見返す事になるのだが、普通の方だと、録画した直後に一度観るだけで、単なるコレクションになってしまうケースが多い事だろう。

それは2008年お正月

それは2008年が明けて間もない頃。年始の挨拶で、妻が里帰りした際、暇つぶしにと持って行った DVD が事の始まりだった。夜になって妻から電話が入り「こっちに持ってきたDVDが見られないんだけど・・・途中で止まっちゃう」との事。

実家に置いてある DVD 再生機と言えば、SONY の PlayStation2 だけ。ご存じの通り、これは家庭用ゲーム機なので、DVD の再生機能はおまけ程度の代物である。「メディアのメーカーや、DVD-Rを作成した環境などによっては、再生できない事もあるから」と説明し、帰ってきてからメディアを確認するつもりだったのだが・・・

どうにも気になり、ちょっと確認のつもりが

持って行った数枚の DVD-R がすべて見られない点が気になって、手持ちDVDコレクションを抜き打ち再生してみると・・・あれ・・・据え置き型DVDプレーヤーでも途中で止まる・・・DVDレコーダーではブロックノイズが・・・XBOX だと読み取りエラー・・・PCでも止まる!!!・・・こ・・・これは~~~!!!

頭から滝のように流れる汗

よくマンガの中で驚いたときに、頭から滝のように汗が流れる表現をする事があるが、本当に頭から汗をかくのは、これが初めての体験だった。以前にも焼いた DVD-R が読めなくなったことがあったので、その後は、購入するメディアに気を配り、焼き込んだ後は必ず全編再生で確認している。更に言い訳するならば、冒頭で書いた通り、ある程度の周期で視聴しているのだから・・・

もう何を言っても後の祭り、怒りを通り越して茫然自失の状態である。頭がビショビショに成る程に、このショックは大きかった。

さて、どうやって確認する

実はあまりのショックで、その後2日間は何もやっていない。と言うより、こうなると怒りに任せて、全部捨ててしまおうかと究極の選択が頭をよぎるばかりである。

さて困った。総数 1,500枚の DVD-R を片っ端から視聴して確認するとなると、数年かかるが、そんな事はやっていられない(よね普通は)。更に、エラーディスクという物は、それ以上悪くなることはあっても、改善される事がないので、サルベージするのなら早いほうが良い。

DVD-R の問題である事は解った
さて不良メディアをどうやっって選別する

単純な確認方法

一部の DVD-R メディアが再生できない事は解ったが、それでは、全数を効率的に確認するにはどうしたらよいのかと途方に暮れてしまった。DVD-R の再生エラーを確認する一番単純で確実な方法は解っている。それは録画内容を最初から最後まで、全編再生してみることなのだが、手持ちの枚数を考えると「年単位」の作業になってしまう。

もし、あなたの所有する DVD-R メディアの枚数が 100枚程度で、時間的・精神的な余裕があれば、1枚1枚、気長に再生確認するのが良いだろう。録画したままで棚の肥やしになっている映画が日の目を見るチャンスかも知れない。「確認するのも面倒だなあ」と思うような録画であれば、たとえ消えていたとしても差し支えないはずだ。

再生の途中で一時停止してしまう、動きがカクカクになる、ブロックノイズが発生する等の症状が現れているようなら要注意である。

ロスト総数は 500枚?

DVD-R の録画メディアでエラーが発生する箇所は、主に録画後半部に集中している。なぜそうなるのかと言うのは後述するとして、映画でもドラマでも、前半から中盤部分は、後半部のお膳立てでしかない。これが最後の10分、20分のクライマックスでいきなり観られなくなるのだから始末が悪い。

取り敢えず気を取り直し、ラックに並んだ端から順に、後半20分程度の再生確認を始めて見る事にした。小型のCD/DVDラック1列、100枚を確認した時点で、再生に問題のあった DVD-R が約 20枚。しかしこの棚は、比較的最近録画したものが多いので、最悪の場合、全体の 1/3が駄目かも知れない。

ファイルコピー

100枚の DVD-R で録画後半部分を確認するだけも3日掛かりの大仕事だった。しかもその作業が録画終盤だけの再生というのは、事件の内容を知らずに推理小説の謎解きだけを見るというか、どら焼きのあんこだけを食べるような行為というのか、何ともフラストレーションの溜まる苦行でしかない。「糞メディアを買ってしまった自分への戒め」と達観できる御仁ならいざ知らず、いや、そもそも、DVDに限らずコレクターという輩は煩悩の固まりなのだから、それは無理と言う物だ。

DVD-R メディア後半部の確認だけを行うのであれば、DVD-R ドライブを装着したPCで、録画後半部にあたるファイルをコピーしてみるという手段がある。ファイルコピーの場合、OS側で読み取りづらい部分を自動的に何度かリトライする。映画などを録画したDVDの場合も、DVDプレーヤーが再生時にリトライしているのだが、同じ場面でいつまでも停止しているわけにいかないので、画像の劣化を抑えながらスキップする所が違う。そのため、PCのファイルコピーで読み取れるディスクが、DVD再生に限り、読み込みエラーになる可能性は否定できない。しかし正常にコピー出来ることさえ確認しておけば、日を置いてバックアップする猶予もあり、短期的には問題無しと判断できる。